ご挨拶

教授 久保真一

薬毒物探索解析研究所は、福岡大学基盤研究機関研究所のひとつで、中毒学に関する基礎的、臨床的研究を行い、薬毒物の新規分析法の開発、中毒発症機序の解明等の研究を行うとともに、薬物を用いた犯罪や薬物乱用の防止に資することを目的とした研究所です。

臨床的研究では、救急医療の現場からの、薬物による自殺・乱用が疑われる患者試料(血液、尿等)を分析するとともに、患者背景を研究することで、薬物による自殺・乱用の対策に取り組みます。併せて、薬毒物分析が必要とされる救急患者の分析の支援にも取り組みます。基礎的研究として、中毒発症に関わる遺伝的背景の解明・生物学的マーカー探索を行います。近年、様々な薬物を使用した犯罪や、危険ドラッグ等の新たな薬物も広がっています。このような薬物を把握するために、薬物分析法の改良、新たな分析法の開発に取り組みます。さらに、アルコールに代わる飲酒マーカーの探索に関する研究、毛髪中の薬物分析法の開発を行い、飲酒運転の抑止、過去の薬物使用の確認に寄与することを目指します。

所長 久保 真一