福岡大学医学部消化器外科

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アカラシアに対する内視鏡治療

食道アカラシアとは

食道アカラシアとは、下部食道の狭窄により食物の通過障害、嘔吐、胸痛、誤嚥性肺炎などを生じる疾患で、食道にかかわる神経の変性や消失が主な病因と考えられています。 現在は10万に1人に発症するといわれていますが、潜在的な発症率はもう少し高いという意見もあります。また、アカラシアの患者さんの5%に食道癌が合併するといわれています。

アカラシアおよびPOEMに関する記事が掲載されました。

2015年11月26日付 毎日新聞 朝刊(全国版)で、アカラシアおよびPOEMに関する記事が掲載されました。
毎日新聞社のHPでも閲覧することが可能です。


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アカラシアの症状

  • つかえ感
  • 口腔内逆流(酸味なし)
  • 就寝中の枕よごれ
  • 胸痛(循環器科で原因が不明)
  • 体重減少
  • 咳や肺炎

診断

  • 内視鏡(胃カメラ)
  • 食道造影検査(バリウムの検査)
  • 食道内圧検査

問診で、アカラシアが疑われる場合には、内視鏡や食道造影検査を行い、食道内圧検査で確定診断となります。 胸痛が症状の一つとなるため、はじめに循環器科を受診し、その後、「原因不明の胸痛」の精査として消化器科へ紹介となる方もいらっしゃいます

治療

  • 薬物療法
  • ボツリヌス菌毒素局注療法
  • バルーン拡張術
  • 手術(腹腔鏡手術)
  • 経口内視鏡的筋層切開術(Per-Oral Endoscopic Myotomy:POEM)

現在、食道アカラシアに対する治療法として、薬物治療、ボツリヌス菌毒素局注療法(日本では保険未収載)、バルーン拡張術、手術(腹腔鏡手術)などがあり、現在は、手術が、 最も治療効果が高いとされています。
経口内視鏡的筋層切開術(Per-Oral Endoscopic Myotomy、以下、POEM)は、2008年に井上晴洋医師ら(昭和大学横浜市北部病院 教授)が、世界に先駆けて開発した治療法で、体表に傷をつけず、 前述の手術と同等以上の効果が期待できる治療法です。この治療法はたいへん高度な技術が求められますが、内視鏡治療の専門家たちによって、実際に、国内外の臨床の場で行われ、高い満足度が得られています。 現在まで、この治療による重篤な偶発症の報告例はありませんが、慎重な適応のもと症例を重ねている段階です。今後、食道アカラシアに対する新たな治療法となることが期待されています。 POEMは既にバルーン拡張や手術が行われた患者さんに対しても、手技を行うことが可能です。

POEMの概要

図1
図はInoue H, Minami H, Kobayashi Y, et al. Peroral endoscopic myotomy (POEM) for esophageal achalasia*. Endoscopy 2010;42:265-71.より引用。写真は当院での症例

全身麻酔下で経口内視鏡(胃カメラ)を用いて治療を行います。

  1. トンネルの入り口作成し、粘膜下層にもぐり込みます。
  2. 肛門側に向かって粘膜下層を剥離し、胃の入り口部までトンネルを作成します。
  3. 食道の内側の筋肉のみを切開します。
  4. 筋肉の切開を胃の中、2-3cmのところまで行い、通常は全長約10cm程度の切開となります。筋層切開の長さは患者さんの体型や病状により異なります。
  5. 止血処置などを行った後、クリップでトンネルの入り口を閉鎖し、終了となります。

当院で行った実際の症例

実際の症例

現在は、厚生労働省に対し、高度先進医療の申請をしている段階の治療法であるため、治療は自費診療で行っています。ご希望の方はご相談下さい。
福岡大学病院では2012年10月より先進医療*として受けることができるようになりました。

現在、日本において、先進性の高い治療の中には、公的医療保険の適用を受けることができないものがあります。その場合、医療費は患者さんの自己負担(自費)となっており、POEMに関しても、2012年7月まで、 全て患者さんの自己負担で行っておりました。しかしながら、厚生労働省が認可した先進性の高い治療については、一部保険を適用することができます。この認可された治療を「先進医療」と呼んでいます。 詳細については、厚生労働省のHPをご覧ください。

民間の医療保険の中には先進医療にかかる費用も負担するプランもありますので、治療の前にご加入の保険会社にご確認されることをお勧めいたします。

福岡大学 食道アカラシア内視鏡治療チーム
福岡大学 食道アカラシア内視鏡治療チーム
井上晴洋教授(昭和大学横浜市北部病院)南ひとみ医師(長崎大学)とともに

担当スタッフ

アカラシアと思われる症状にお悩みの方は下記までご相談ください。
連絡先
Email:poem.fukuoka■gmail.com(■を@に変更して下さい)
TEL:092−801-1011(福岡大学消化器外科 塩飽 洋生

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