ごあいさつ

ごあいさつ

朔 啓二郎

私は、2000年4月、福岡大学医学部内科学第二の主任教授に就任しました。内科学講座の改変により、「内科学第二」から「心臓・血管内科学」に講座名が変更になったのが2007年4月です。病院は「循環器科」から「循環器内科」になりましたが、日本人の死因第2位である心臓・血管病をターゲットにする診療科です。循環器診療は、冠動脈疾患、心不全、不整脈、弁膜疾患、心筋・心膜疾患、心臓腫瘍、先天性心疾患、大動脈疾患、末梢動脈疾患と、高血圧・脂質異常症・糖尿病などメタボリックシンドロームに代表される病態群で日常臨床が構築されます。私たちの診療科の特徴ですが、2008年の九州11大学病院の「急性期入院医療における診断群分類別包括評価(DPC)」公開データに基づく分析によると、福岡大学病院の入院数で1位を占めるのが、狭心症、慢性虚血性心臓病、4位が頻脈性不整脈です。このデータが示すように、九州の大学病院では一番多くの冠動脈疾患と不整脈の治療を取り扱っていると言っても過言ではありません。複雑病変に対するインターベンション(PCI)、心房細動・難治性不整脈のカテーテルアブレーション、PMやICD、心機能改善のための様々なデバイス治療、心不全の薬物療法、血管や心筋の再生が臨床の最前線になってます。「臨床の福大」ですが、基礎的研究も多分野にわたります。動脈硬化治療戦略、HDL治療、高血圧関連受容体の研究、リポ蛋白代謝、血管内皮機能評価法の開発、頻脈・徐脈性不整脈の発症機序の解析を中心に年間約40編の英語論文がでます。院内及び院外研修システムは確立され、若い研究者の養成、海外への留学、帰国後のケアは教室の使命としています。医局員数、医学部評価総合点は医学部・病院のなかで常に第1位をキープし、毎年3~11名が医学博士を取得します。2011年1月に地下鉄「福大前」駅と連結した新診療棟がオープンし、心臓血管外科と一緒になったハートセンターを開設しました。一般病床48床 (CCU 6床)に加え、心臓リハビリテーション室を有しています。心臓救急にはハートセンターと救急救命センターのdual pathwayを利用できるシステムを構築しています。心臓カテーテル検査及びPCIは、2003年から現在に至るまでの詳細をデータベース化 (FU-Registry)し、安全性の追求以外にも業務の円滑化、情報の共有化を目指しています。病院新館のメディカルフィットネスセンターには外来の心臓リハビリ施設を完備しています。私たちの教室は診療・研究・教育のアクティビティの高さが自慢ですが、前任の荒川規矩男名誉教授時代に11名、私に替わってこの10年間にすでに9名の教授を輩出する研究所でもあります。

医学はCompassion、つまり「思いやる心」であります。私はサイエンティストとしても一番大事な態度、姿勢であると思っておりますし、家庭生活には絶対必要なものであると感じてます。なぜなら、それが感謝とか愛につながるからです。教室員と共に育つ毎日ですが、福岡大学病院の基本理念「あたたかい医療」を教室全体で実践することを目標にしています。

福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授 福岡大学病院 循環器内科診療部長 朔 啓二郎