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福岡大学消化器内科は、肝胆膵および上部・下部消化管疾患の臨床ならびに基礎研究を精力的に行っています。最近は診療科が細かく枝分かれしている大学病院も少なくありませんが、当科は消化器内科領域を全てカバーし、一体感をもって診療・研究にあたっています。当科外来には、基本的には福岡市の中心部ならびに西部在住の患者さんが多く来院されています。しかしながら、専門的かつ高度な医療技術を求め、さらに福岡という地の利もあり、他県あるいは海外からの紹介例も少なくありません。入院患者は年間1100人を越え、九州有数の消化器病センターとなっています。

肝胆膵グループは、C型慢性肝炎・初期の肝硬変に対して経口の抗ウイルス薬により90%以上のウイルス陰性化が得られるようになり、多数例での治療が行われています。B型慢性肝炎に対しても、経口の抗ウイルス薬により肝炎の沈静化、肝硬変への進行の抑制が可能となっています。また、肝癌に対しては、一週間の入院で治療が終了するラジオ波焼灼術(RFA、開腹無しで治療時間30分)も既に1900例を超える治療を行い、極めて良好な結果を得ています。また、当院放射線科の協力により、経肝動脈的肝動脈閉塞術(TAE)、 TACE等も多く行っております。さらに、肝硬変の合併症としての食道・胃静脈瘤に対する内視鏡的治療(EIS、 EVL)を多数例で行っています。ERCP関連手技も積極的に行い、胆道系の良・悪性疾患の診療に取り組んでいます。

消化管グループは、(NBIなど画像強調内視鏡を含めた)上部・下部消化管内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡、ならびに放射線透視により消化管疾患、特に、消化器癌の早期発見と治療に取り組んでいます。早期癌に対する食道・胃および大腸の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、低侵襲治療として普及していますが、当科ではいち早く本手技を取り入れ、多数の早期癌症例の治療にあたっています。若年で発症することが多い炎症性腸疾患は、年々患者数が増加しています。当科では、クローン病ならびに潰瘍性大腸炎に対する分子標的薬(抗TNF-α抗体、抗IL-12、 23抗体、抗α4β7インテグリン抗体、JAK阻害剤)、免疫抑制剤など新規治療を導入し、適応のある症例に用いて良好な治療成績を得ています。また、私が専門とするこの領域では、クローン病の小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術など内視鏡を用いた先端的な医療の提供にも努めています。多数例の診療経験を活かし、厚生労働科学研究費補助金事業の『難治性炎症性腸管障害に関する調査研究』班(難病研究班)に研究分担者として参加し、診断および治療指針の作成を担当しています。

こうした専門的診療だけでなく、ER部門と連携した救急疾患の取り扱いが多いのが当科の特徴の一つです。上部・下部消化管からの出血(吐血、下血)、大腸憩室、虚血性腸疾患、胆膵領域疾患など緊急を要する患者が、多数搬入され、当科の医局員の適切な治療により回復しています。こうした消化器領域の救急医療を学ぶ機会が多い大学病院は少なく、特に若手医師の臨床修練の場としては最適の診療科であると自負しています。

 研究においては、肝臓グループは、ウイルス性肝炎に対する抗ウイルス薬の難治例の検討、肝癌発症の基礎的研究、種々のラジオ波治療後の再発例の検討、原発性胆汁性胆管炎の肝臓におけるコレステロール代謝、肝硬変に伴う門脈圧亢進性胃腸症(PHG)の粘膜上皮のtight junctionに対する薬物投与の効果などについて研究を行っています。消化管グループでは、オリジナリティーを重視した基礎研究(腸内細菌叢の解析、炎症性腸疾患のバイオマーカーなど)および臨床研究(大腸憩室出血に対する漢方薬の治療効果、内視鏡治療、消化管リンパ腫の臨床病理学的検討など)を行っています。さらに、難病研究班が主導する多施設研究や日本医療研究開発機構(AMED)とタイアップした創薬事業などにも加わり、幅広い研究活動を展開しています。

再現性があるのが科学であり、医師によって治療法が異なる、あるいは論文によって結論が違うことがある医学は科学ではないとする意見も少なくありません。しかし、私は、“何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない”というアインシュタイン博士の言葉が、医師とくに臨床医の基本理念と考えています。確かな知識と豊富な経験は、医療のプロフェッショナルとして最も重要と思います。当科では、これを達成するために担当症例はもちろん、回診やカンファレンスにおける数多くの症例から学ぶことを臨床教育の基礎と考えています。そのために上級医師が親身になって若手の医師を指導する一方、若い医師が気兼ねなく発言できる雰囲気を大事にしています。働き方改革で医療業界においても長時間労働が問題になっています。しかし、働き方は改革されるのではなく、自身の未来を想定し、自らが率先して模索すべきと考えています。両立は簡単ではありませんが、OFFの時間も大事ですし、個々の医局員が効率よく学び、働ける環境を作れるような医局を目指しています。

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福岡大学医学部消化器内科(肝胆膵・消化管)は、平井郁仁教授のもと病院においては消化器科を標榜し診療にあたっています。
消化器科の病床数は45床、年間入院患者数は約1100名です。
対象疾患は、肝炎(急性、慢性)、肝硬変、肝細胞癌、食道・胃静脈瘤、消化管出血、炎症性腸疾患、食道癌、胃癌、大腸癌、悪性リンパ腫などです。
年間検査件数は、腹部超音波検査は3500例、消化管造影検査(上部、下部)は780例、消化管内視鏡検査(上部、下部、小腸)は3900例です。年間治療件数は、肝癌ラジオ波焼灼術は150例、内視鏡的切除術は200例、内視鏡的止血術は170例、食道・胃静脈瘤治療は160例です。
当科について詳しくは「教室紹介」をご覧ください。

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