専門外来
糖尿病
糖尿病ってどんな病気?
尿に糖 (ブドウ糖) が出る病気が名前の由来ですが、尿にまで糖が出るほど血液中の糖の値も高くなって放置した場合、様々な全身の臓器の障害を引き起こしてくる病気です。具体的には、心臓、脳、足などに流れる大きな血管の動脈硬化や網膜症、腎症、神経症などの合併症を起こしてきます(下記参照)。生命を脅かすばかりでなく、生活の質も低下してしまいますので、予防や早期発見、早期治療が大切です。


糖尿病になるとどんな症状が出るの?
軽い糖尿病や初期ではほとんど自覚症状はありません(逆に病気に気づかないので、知らないうちに進行するという怖い側面があります)。 血糖がかなり高くなり、尿糖も出るような方ですと、口渇、多飲、多尿を自覚するようになります。この時に、のどが渇くからと言って、糖入り缶入りコーヒーやコーラ、ジュース類をがぶ飲みしていると、益々、血糖が上昇して、悪循環に陥ります(ペットボトル症候群)。 口渇時には、必ず水やお茶を飲まれてください。 糖尿病が進むと、合併症に応じて、手足のしびれ、便秘、排尿障害、眼のみえにくさ、足がだるくて途中で歩けなくなる、足の筋肉のこむら返り、胸がしめつけられる、体がかゆい、傷がなかなか治らないなどの諸症状が出現してきます。


糖尿病の三大合併症って何? 動脈硬化ってどこに起こるの?
網膜症、腎症、神経症のことを指します。網膜症は眼の網膜の最小血管の病変で起こり、失明原因の第一位です。糖尿病で起こる眼の合併症には他に白内障や緑内障などもあります。腎症では、蛋白病が出現するようになると、体のむくみ(浮腫)の原因となります。
腎臓は体の老廃物を排泄する大切な臓器ですので、腎症による腎機能障害が進行して腎機能が廃絶してしまうと、透析に移行することになります。糖尿病は透析導入原因の第一位です。神経症では、両上下肢のしびれや神経痛が起こってきます。自律神経も障害されると、排尿、排便障害や起立性低血圧が起こります。 また、糖尿病は心臓や脳を流れる大きな血管の動脈硬化を起こしやすく、また血栓を作りやすい傾向があるので、これらの血管が詰まってしまうと、合併症としてはもっとも怖い心筋梗塞(前段階が狭心症)や脳梗塞を起こしやすくなります。腎症がある方では、そのリスクはさらに高まりますし、高血圧や高脂血症を合併している方では、さらに相乗的にそのリスクを増やしてしまいます。また、足の血管の動脈硬化が起こると、閉塞性動脈硬化症といって足に血液が十分に供給されず、場合によっては足壊疽を引き起こす原因ともなります (フットケア参照)


糖尿病のタイプは?
大きく、1型、2型とその他の3つに分類されます。

A.1型糖尿病
1型は膵臓からのインスリン分泌がほとんどないため、著しい高血糖をきたしてしまいます。インスリンが絶対的に不足しているので、インスリン注射が必ず必要です。自己免疫学的機序やウィルス感染の関与が疑われており、ごく短期間のあいだに膵B細胞が破壊されてしまうために起こります。若年発症が多いですが、タイプによっては成人でも起こります。なお、免疫学的な機序を背景に、2型糖尿病から徐々に1型に移行する場合もあり、緩徐進行性1型糖尿病と呼ばれています。

B.2型糖尿病
多くの方が罹患しておられる糖尿病で、ある程度の遺伝的素因を背景に、過食、肥満、運動不足といったことがきっかけで発症します。膵臓からある程度のインスリンは出ていますが、量が不足気味であったり、せっかく出てもその作用が十分に発揮されない(インスリン抵抗性といい、肥満でよくみられます)ため、糖尿病が発症してしまいます。生活習慣病ですので、自己管理(食事療法や運動療法)によって発症を予防したり、増悪を防いだりすることがある程度、可能なタイプです。初期には経口内服薬で血糖コントロール可能ですが、インスリン分泌が悪くなってきたり、内服薬の効果が減弱してきた場合にはインスリン注射によりコントロールする場合があります。

C.その他
妊娠によって発症する場合や膵炎、膵癌などの膵臓の病気や膵臓の外科的切除、インスリンに拮抗するホルモンがたくさん出る病気、薬剤(ステロイド剤)などで糖尿病となる場合があります。これらは糖尿病の新たな原因になると同時に、すでにある糖尿病を悪くする原因にもなります。


検査はどうするの?
糖尿病と診断された方の定期的検査としては血糖、HbA1Cを測定し、腎臓関連検査(creatinin, BUN,尿検査によるアルブミン病や蛋白尿の有無、貧血の有無)、血清脂質(悪玉コレステロール、中性脂肪)、血圧を主としてフォローしていきます。HbA1C値は、赤血球のヘモグロビンにくっついた糖の値で、赤血球の寿命が120日もあるので、リアルタイムの血糖と違い1-2週間程度の節制では簡単に値が変動しません。 ですから患者様の1-2月単位の長期的血糖コントロール指標として有用な値で、管理目標値としてHbA1C 6.5%未満を目標にしていただいています。なお、貧血がある方では、HbA1C値が不正確になるので、グリコアルブミンという値で代用しています。 また、網膜症の評価を眼科の先生に定期的(半年-1年に一度)していただいて、網膜症を進行させないための適切な治療(光凝固療法など)を受けていただくことが重要です。動脈硬化の評価としては、安静時あるいは負荷心電図、内頚動脈の動脈硬化度をエコーで評価する検査(内中膜肥厚度:IMT)や脈波伝導速度(PWV)などの評価を行い、臨床症状を勘案の上、心臓の冠動脈CT検査や場合によっては冠動脈造影などの検査まで行っていきます。 脳の動脈硬化が強く疑われる場合には 脳のMRアンギオグラフィーまで行います。


治療はどうするの?
血糖管理と合併症管理が治療の主体となりますが、ここでは血糖管理のための治療法についてのみ述べます。どのタイプの糖尿病でも食事療法が基本となり、特に軽症の2型糖尿病の場合には食事療法に加えて運動療法も極めて重要です。食事療法+運動療法のみで十分、コントロール可能な場合があることを強調しておきます。ただし、進行した糖尿病では、過度の運動療法による血糖の急激な低下や低血糖の頻発が、かえって活動性の網膜症を進行させたり、神経症の症状を増悪したり、狭心症を誘発したりする場合がありますので、主治医の先生に運動療法の是非や程度、やり方を必ず相談した上で行ってください。
2型糖尿病の血糖コントロールは経口糖尿病薬で十分コントロールされる場合とインスリン加療まで必要となる場合があります。1型は絶対的なインスリンの加療適応です。 経口糖尿病薬の種類としては、(1)インスリン分泌を促すもの(ゆっくりインスリン分泌促進するタイプ、素早く促進するタイプ、DPP阻害剤という食事に伴ってインスリン分泌を促進する新しいタイプの3種類の薬剤があります)(2)インスリンの効き方をよくするもの{2種類}(3)小腸での糖の吸収を遅らせて食後の血糖上昇をおさえるものに大別されますので、主治医の先生にご自分が服用している経口剤の種類を確認されてください。
インスリンの種類としては、毎食事前にうって素早く血中インスリン濃度を上昇させ、食後の高血糖を改善させるタイプのインスリンとして(1)超速攻型(食直前注射)(2)速攻型(食前30分)と呼ばれるものがあります。一方、食事に関係なく、通常状態の血液中のインスリン濃度をある程度、一定に保たせて血糖変動を安定化させる目的で、1日1-2回使用するタイプのインスリンで(3)中間型(4)持効型と呼ばれるものがあります。基本的には1日の生活パターンに合わせて(1)または(2)のどちらかと(3)または(4)のどちらかを組み合わせてインスリン加療がなされますが、頻回にインスリンを打たなければならない煩雑さがあります。それを避けるため、あらかじめ、(1)または(2)と(3)がミックスされているタイプ(ミックス製剤と呼ばれます)のものもあります。また、インスリン使用はどうしても抵抗があるという方では、インスリン治療に馴染んでもらう入目的で、使用中の経口糖尿病薬による加療に加えて、持効型インスリンの1回注射を追加してコントロールを試みる場合があります。いずれにしても、思わぬ低血糖をさけるためにも、主治医の先生にご自分が使用しているインスリンのタイプを確認しておくことが大切です。

◆糖尿病

【外来日】
◆新患   日曜を除く毎日(月曜〜金曜及び土曜の午前)
◆再来   月曜〜金曜の午前
◆頸動脈エコー   毎週月・木(午前)(責任医師 寺脇)
【場所】
内分泌・糖尿病センター
【お問い合わせ】
内分泌・糖尿病内科受付
【担当医師】
内分泌・糖尿病内科医師
(責任医師)柳瀬
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