患者さんへ

対象疾患慢性疼痛

慢性疼痛とは、その名の通り慢性的(持続的)に痛みが続くことを言いますが、原因はさまざまです。痛みの種類にも、外傷や癌など身体の病気により警告として起きる「侵害受容性疼痛」以外に、痛みを脳へ伝える役割を持つ神経自体に異常が起きておきる「神経障害性疼痛」、そして原因がはっきりしない心による痛み「心因性疼痛」があります。痛みが持続的に続く場合、精神的にも疲労し、運動などによって身体を動かすことが困難となることでさらに痛みが増悪しやすくなりますので、原因に応じて適切な治療を受けることが大切です。

慢性疼痛の治療の基本は痛み止めの内服による薬物療法ですが、薬物療法によって十分な効果が得られない場合には外科治療が必要となる場合もあります。腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患や手根管症候群に代表されるような末梢神経障害など、原因がはっきりしている場合には根本的解決を目指した外科手術が行われます。ヘルニアの摘出や末梢神経の絞扼解除などの治療が行われた後でも疼痛が持続する場合には、緩和を目的とした手術(脊髄刺激療法など)を行うこともあります。

脊髄刺激療法

脊髄刺激療法

脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation: SCS)とは、背骨の中(脊柱管内)に電極を埋め込み、腹部に埋込んだパルスジェネレーターから電気信号を送り込んで脊髄の刺激を行う方法です。マッサージを受けているような感覚などを痛みの部位に誘発して症状を緩和させます。日本国内でも歴史のある治療法で、1992年から保険適応となっています。慢性疼痛に対しては非常に効果的な治療法ですが、効果の出方は人それぞれですので、ご興味がある方は担当医師までご相談ください。

図1. 脊髄刺激療法イメージ図

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