福岡大学医学部形成外科ホームページへようこそ。

福岡大学医学部形成外科 - Fukuoka University Plastic and Reconstructive Surgery -

患者の皆様へ
  • TOPへ戻る
ホーム > 診療内容のご案内 > あざ(色素性母斑、太田母斑、脂腺母斑、イチゴ状血管腫、単純性血管腫、)

診療内容のご案内

◆ あざ(色素性母斑、太田母斑、脂腺母斑、イチゴ状血管腫、単純性血管腫、)

“あざ”には様々な疾患が含まれます。見た目に赤いもの、青いもの、褐色のもの、黒いものと様々です。それぞれの疾患により治療法は異なりますが、一般にできるだけ早期に治療を行うほうが良好な結果が得られることが多いため、あざがある場合はまずできるだけ早く専門医の診察を受けることをお勧めします。
治療はレーザーや手術などがあります。レーザー治療は小範囲であれば外来で可能ですが、広範囲におよぶものや乳幼児の場合は、全身麻酔下での治療を行う場合もあります。

色素性母斑
 色素性母斑は黒褐色のあざで、ほくろのような小さなものから、身体の大部分を占める大きなものまで大きさは様々です。母斑細胞が表皮と真皮の境目もしくは真皮の中に存在して、メラニン色素を作り出すために、褐色ないし黒色に見えます。時には毛が生えたり表面が盛り上がることもあります。背中一面にあるような大きな色素性母斑(巨大色素性母斑)では、悪性黒色腫という皮膚癌の中でも悪性度の高い癌が発生することがあるため注意が必要です。
 直径数mmまでの小さなほくろは炭酸ガスレーザーでほくろ全体を削り取る治療や、メスまたはパンチを使ってくり抜く方法が一般的です。悪性化の心配がある場合はくり抜いた組織を病理検査します。くり抜いたあとはそのままもしくは軽く縫いよせて、傷が自然に治るまで約2週間軟膏治療を行います。丸いにきび跡のような傷跡になります。直後は赤み・へこみが目立ちますが、徐々に色が薄れ目立ちにくくなります。
 数mm以上の場合は楕円形(紡錘形)に皮膚を切開して母斑を切除した後、皮膚を縫い合わせる方法が一般的です。この場合、傷痕は線状になります。直後は傷の赤み・硬さが目立ちますが、徐々に色調が薄くなり目立ちにくくなります。
いずれの場合も、できるだけきれいな傷跡にするためには、治療後のテーピングや遮光といったアフターケアが重要です。 大きいものの場合は、分割切除といって2、3回に分けて少しずつ切除する方法があります。縫い寄せるのが難しい場合、周囲の皮膚を移動(局所皮弁)して傷をふさぐこともあります。局所皮弁でふさぐことができない場合は、皮膚移植術を行いますが、移植した皮膚は周囲の皮膚とは色調・質感が異なるので手術後の整容性はやや劣ります。この欠点を補う目的で、シリコン製の風船(組織拡張器)による治療を行なうことがあります。健康な部分の皮下に組織拡張器を埋め込み、組織拡張器に週1回の頻度で生理食塩水を注入して皮膚を伸ばしてから、組織拡張器を取り出し、母斑を切除して伸ばした皮膚で傷をふさぐ方法です。
 悪性化のおそれのない場合は、メラニン色素を選択的に破壊するQスイッチ・ルビーレーザーなどを使った治療を行うことがありますが、完全に色を消褪させることは困難です。

扁平母斑
茶色の平坦な色素班です。その色調からカフェオレ斑と呼ばれることがあります。ほとんど、生まれつきに存在しますが、思春期になって発生する場合もあります(遅発性扁平母斑)。思春期になって発生する場合には毛が同時に生えてくる場合が多くあります。悪性化することは、通常ありません。そのために、治療は主に整容的な目的で行います。治療は、まずルビーレーザー、Qスイッチ付きルビーレーザーによるレーザー治療を行います。しかし、レーザーは残念ながらあまり有効でなく、効果があるのは30%程度です。その他の場合は、レーザー治療を行っても全く効果がないか、一旦薄くなってもすぐに再発します。レーザーが無効な場合は、母斑の部位によって手術による治療を行うことがあります。

太田母斑
顔面の三叉神経領域に生じる青色の色素斑です。眼皮膚メラノーシスとも呼ばれます。メラニンの深さによって褐色や灰色にみえることもあります。目の周りを中心に前額部、側頭部、頬部、鼻部に生じるのが一般的です。眼球強膜(白目の部分)にも高率に色素斑を認めます。女性に多く出現し、その出現時期は、生下時および乳児期にみられる早発型と、思春期や妊娠、出産後、閉経後などのホルモンバランスの大きく変化する時期に顕在化してくる遅発型とがあります。通常、片側性ですが、両側性のこともあります。
治療法は、以前には植皮術や切除などの形成手術が行われたり、雪状炭酸圧抵法+剥皮(術)などにより治療されてきましたが、色素を除去しきれなかったり、瘢痕を残すことが多くありました。現在では、Q-スイッチ付きのルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー治療が健康保険の適応となっており、数回の治療で比較的良好に除去できるようになり、患者さんの満足度も高くなっています。当科ではQスイッチルビーレーザーによる治療を行っています。

異所性蒙古斑
蒙古斑は生後1週から1ヶ月ころまでに、青いあざがお尻や背中の下部にみられるもので、胎生期の真皮メラノサイトの残存と考えられています。日本人にはほぼ100パーセントにみられ5,6歳までに自然に消失しさほど問題にはなりません。ところがまれに通常の部位以外にも蒙古斑がみられることがあり、これを異所性蒙古斑といいます。異所性蒙古斑もその大半は学童期までに消失することが多く、蒙古斑同様治療の必要はありませんが、色調の濃いもののなかには青いシミが学童期になっても残る場合があります。しかしその場合も成人までに消えることが多く、放置しておいても結構ですが、衣服に隠れない露出部などは患者の精神的苦痛を緩和するために治療の対象になることもあります。今日異所性蒙古斑の治療はQスイッチ付きのルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーなどが用いられています。当科では、Qスイッチルビーレーザーによる治療を行っています。レーザー治療は、小範囲の場合は外来で局所麻酔下に行っていますが、範囲が広い場合は入院し全身麻酔下に行うことがあります。

脂腺母斑 
出生時または幼少時から見られる黄色調を呈するあざです。約90%は、頭部・顔面に発生します。乳幼児期では皮膚表面は正常色調で平らから軽度の凹凸となりますが、脂腺の発達する思春期以降ではしだいに顆粒状に隆起し、色調も加齢により褐色調を帯びてきます。頭部に発生すると毛髪が生えないため、整容的な問題となります。自然消退はなく、多くは単発性です。加齢と共に脂腺母斑から続発性に良性腫瘍や悪性腫瘍が発生することがあるため、母斑表面に変化が見られたときには注意が必要です。  治療は、外科的切除が基本となります。母斑切除により生じた皮膚欠損が縫合可能な場合は縫縮しますが、広範囲な場合には周囲の組織を利用する皮弁移植術や他の部位から移植する植皮術が必要となります。頭部の広範な脂腺母斑では、組織拡張器といってシリコン製のバッグを皮下に埋め込み、母斑周囲の頭皮を引き延ばした上で、母斑を切除し伸ばした皮膚で覆う手術方法も用いられています。年齢、母斑の大きさ、手術方法によっては全身麻酔が必要となります。

単純性血管腫
単純性血管腫は赤あざの一種でポートワイン母斑とも呼ばれますが、真皮の毛細血管の局所異常で、腫瘍ではなく血管奇形に分類されます。通常皮膚の膨隆を伴わず明瞭な境界線があり、均一の紅斑を呈します。色は明るいピンク色から濃い紫色まであります。その血管腫の主病変が真皮のどこに位置するかで、浅在性、深在性、びまん型に分類されます。発症は生下時よりみられ自然消退しませんが、皮膚の厚さが加齢に伴って厚くなるため褪色する場合もあります。しかし反対に色が濃くなったり、腫瘤を形成する場合もあります。発生の頻度は、男性より女性に多く、好発部位は顔面と頸部ですが、四肢にも比較的多く見られます。整容面の改善を目的として、現在では色素レーザー治療が第一選択となっています。レーザー照射は大体3ヵ月に一度の割合で数回行う必要があります。レーザー治療は、血管の太さ・深さにより効果が異なります。乳幼児では成人に比べ皮膚が薄く血管腫が浅い所に存在するため、治療開始が早ければ早いほど治療回数は少なく治療効果も優れています。そのため、できるだけ早期に治療を開始することが望ましいといえます。レーザー治療以外の方法では、冷凍療法、電気凝固法、放射線療法などがありますが副作用が伴うことが多く現在は行われていません。成人で加齢と共に腫瘤を形成している場合は、手術療法を行うこともあります。

苺状血管腫
苺状血管腫は赤あざの一種で、未熟な毛細血管の増殖により起こるできものです。最近では乳児血管腫と呼ばれます。乳幼児に最も多い良性腫瘍の一つです。生まれた直後はあまり目立たないことが多く、生後数日から数週以内に表面が苺状に赤く盛り上がり目立ってきます。急速に大きくなった後に、数年かけて徐々に赤みが抜け、退縮します。表在型、深在型、複合型があり、深在型では病巣が真皮下層から皮下組織に存在するため、青色調を呈します。局所に潰瘍を形成したり、出血を繰り返すような特殊なものもあります。 一般的には時間がかかりますが自然消退するため、経過観察を行います。しかし、自然消退後も表面のでこぼこや瘢痕、盛り上がりが残ることが意外に多いため、最近では積極的にレーザー治療を行っています。
 また眼瞼や鼻孔をふさぐような血管腫は、視力障害、呼吸困難など機能障害を起こすことがあるため、ステロイドの局所投与、全身投与などの積極的治療を行います。  皮膚に多発している場合には、内臓にも血管腫を合併していることがありますので精査が必要です。

<< 診療内容のご案内TOPへ戻る

▲ このページのTOPへ戻る