HOME > 講座について > 各種治療について > 悪性腫瘍に関する治療 > 腎盂・尿管がん


Malignant Tumor

[ 5-2 ] 腎盂・尿管がん


腎盂、尿管がんとは?

・腎臓で造られた尿は、まずは腎盂・尿管を通過し、膀胱に流入します。その腎盂、尿管にできるがんを、腎盂・尿管がんと言います。
・自覚症状としては、肉眼的血尿を認めることがありますが、症状は乏しいことが多いです。
・組織型は膀胱がんと同様の尿路上皮がんです。
・喫煙者は非喫煙者と比べ、3倍の腎盂・尿管がん発生リスクがあります。




診断・検査の流れ



手術

(1)腎尿管全摘除術+膀胱部分切除術  腎盂癌・尿管癌の場合は、腎臓と尿管を摘除する術式です。腎臓周囲は後腹膜鏡を使用することが多く、尿管と膀胱の切断は開放手術で施行します。


腎細胞がんの腎部分切除術


1:腎周囲処理(後腹膜鏡手術)
側腹部に腹腔鏡用ポートを4本留置


2:膀胱部分切除(開放手術)
腹直筋の横を縦切開

(2)尿管カテーテル留置術 + 腎盂・尿管内 BCG 注入療法  尿管鏡、生検検査にて、上皮内がんの診断となり、腎機能不良等の条件で、腎尿管全摘除術施行が困難な場合は、尿管・腎盂内にBCGを注入します。(週 1回 × 6 ~ 8回)


化学療法( 抗がん剤治療 )

 診断の時点・術後に、遠隔転移を有していた場合、腎尿管全摘除術にて摘出した病理所見で、がん細胞が尿管・腎盂周囲に浸潤していた場合、摘出したリンパ節に転移を認めた場合などに化学療法を施行します。
化学療法の種類
・腎機能正常症例:ゲムシタビンとシスプラチンを併用する GC療法を行います。
・腎機能不良初令:ゲムシタビンとカルボプラチンを併用する GCarbo療法を行います。


免疫療法

・ペンブロリズマブ(キイトルーダ):進行性膀胱がんに対して、化学療法を施行も、効果が乏しい症例に施行します。
・アベルマブ(バベンチオ):化学療法を施行し、効果を認めた症例の維持療法として施行します。

[ お問い合わせ ]
福岡大学腎泌尿器外科学講座
〒814-0180 福岡市城南区七隈七丁目45番1号 [ Google Map  ]
TEL : 092-801-1011  FAX : 092-865-4445  E-mail : urology@fukuoka-u.ac.jp
[ 平日 ] 初診 / 8:30 - 12:00 ( 月・火・木・金 )  再診 / 8:30 - 12:00