2022年1月27日に、福大病院の血液内科医、循環器内科医、看護師、薬剤師および院外薬局の薬剤師が参加して、がん治療における循環器内科との連携をテーマにHematology Web Seminarを開催しました。演者は、順天堂大学血液内科の高久智生先生で、「CML治療のup to date~Cardio Oncologyを踏まえて」というタイトルでご講演いただきました。慢性骨髄性白血病(CML)は、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬を用いた治療により長期生存が可能となりました。一方、低頻度ですが長期治療中に心血管障害が起こることがあり、高血圧や糖尿病など生活習慣病のコントロールおよび定期的な心機能の評価が重要になっています。順天堂大学病院での取り組みを紹介していただき、がん診療に携わる腫瘍血液内科医や看護師、薬剤師が循環器内科医と連携して抗がん治療関連合併症のマネジメントを行うことの重要性を学ぶことができました。
INFORMATION過去のお知らせ
Lymphoma Web Meeting in South Fukuoka(2021.09.16)終了しました
2021年9月16日に、九州がんセンターと共同で悪性リンパ腫をテーマにWeb講演会を開催しました。はじめに九州がんセンター血液内科の崔日承先生に「濾胞性リンパ腫における最新の話題」というタイトルで講演していただきました。特別講演の演者は、がん研究会有明病院 血液腫瘍科部長の丸山大先生で、「再発・抵抗性DLBCLに対する治療選択」についてご講演いただきました。従来は濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫といった病理学的診断に基づいて治療を行っていましたが、最近は個々のリンパ腫細胞がもつ分子生物学的特徴の解析が進み、その特徴に対する分子標的薬が開発されています。また遺伝子改変キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)など新しい治療法も登場しており、悪性リンパ腫に対する最新の治療について学ぶことができました。出席者は医師、看護師、薬剤師、検査技師合わせて30名でした。
2020年度がんセミナー開催報告
今年度は1回のみの開催となりました。
開催日 | テーマ | 所属 | 講師名 | 参加者数 | |
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第119回 | 2020年11月9日 | がん免疫療法の最新の話題 | 村上華林堂病院 | 柴田 隆夫 | 8 |
七隈緩和ケア研究会特別講演会(2021.02.24)終了しました
緩和ケアをテーマにWeb講演会を開催しました。演者は獨協医科大学麻酔科教授の山口重樹先生で、「がん性疼痛に対するオピオイド治療の新たな展開」というタイトルでご講演いただきました。はじめに各種オピオイド製剤の特徴に応じた使い分けについてわかりやすく説明していただきました。続いてがんサバイバーに起こったオピオイド依存症の症例を呈示し、その病態と治療について解説いただきました。院内のみならず院外からも多数参加され、出席者は合計83名でした。貴重な講演内容で、がん患者の診療を行う上で有意義な講演会でした。
Lymphoma Web Meeting in South Fukuoka(2021.02.04)終了しました
九州がんセンターと共同で、悪性リンパ腫をテーマにWeb講演会を開催しました。初めに九州がんセンター細胞治療科の宇都宮勇人先生に「ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫の新規治療戦略」というタイトルで発表していただきました。特別講演の演者は、福岡赤十字病院血液・腫瘍内科部長の谷本一樹先生で、「進行期高腫瘍量濾胞性リンパ腫に対する治療」についてご講演いただきました。前半はAYA世代、後半は高齢者に多いリンパ腫で、ライフステージに応じたリンパ腫の特徴ならびに治療戦略を学ぶことができました。出席者は医師、看護師、薬剤師合わせて26名でした。
2019年度がんセミナー開催報告
今年度は7回のセミナーを開催しました。来年度も多くの方々のご参加をお待ちしております。
開催日 | テーマ | 所属 | 講師名 | 参加者数 | |
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第112回 | 2019年5月20日 | 今すごい!肺がん治療の免疫療法 | 呼吸器内科 | 中尾 明 | 65 |
第113回 | 2019年7月8日 | 正しく知ろう!がんの療養と緩和ケア | 麻酔科 腫瘍センター 精神神経科 |
廣田 一紀 堀田 綾美 大串 祐馬 |
78 |
第114回 | 2019年7月30日 | 出張がんセミナー(鳥飼公民館) | 腫瘍・血液・感染症内科 | 田中 俊裕 | 35 |
第115回 | 2019年9月9日 | ここまで進化した!化学療法の副作用対策 | 薬剤部 | 五十嵐 保陽 | 87 |
第116回 | 2019年10月10日 | 出張がんセミナー(鳥飼公民館) | 腫瘍・血液・感染症内科 | 田中 俊裕 | 44 |
第117回 | 2019年11月11日 | 分かりやすく解説します!血液がんについて | 村上華林堂病院 | 柴田 隆夫 | 74 |
第118回 | 2019年12月7日 | からだにやさしい放射線治療 | 放射線科 | 赤井 智春 | 48 |
第119回 | 2020年3月9日 | がんゲノム医療とは?福大病院の取り組み | 消化器外科 | 吉田 陽一郎 | 中止 |
2020年度がんセミナー開催予定一覧
【開催中止のお知らせ】3月9日開催の第119回がんセミナーは、コロナウイルス流行による影響を鑑みて、中止することになりました
2019年度第3回 腫瘍センター講演会(2019.12.18)終了しました
緩和ケアをテーマに講演会を開催しました。初めにがん診療連携拠点病院である福岡大学病院の緩和ケア認定看護師の堀田綾美先生、および緩和ケア病棟をもつ地域医療機関であるさくら病院の緩和ケア認定看護師の竹山美穂先生から、それぞれの病院における緩和ケアの取り組みについて発表していただきました。
特別講演は、埼玉県立がんセンター緩和ケア科の余宮きのみ先生に「がん疼痛Up to date」というタイトルでご講演いただきました。聴衆を虜にする素晴らしい話術で、がん疼痛治療の基本から最新情報までを病態や薬物代謝に基づいて理論的にわかりやすく解説していただきました。がん患者の診療を行う上で緩和ケアの知識・技術は欠かすことが出来ないもので、院内のみならず院外からも多数参加され、出席者は合計74名でした。講演に対する活発な質疑応答が続き、今後のがん診療に大変役立つ貴重な講演会でした。
2019年度第2回 腫瘍センター講演会(2019.10.29)終了しました
抗がん薬の曝露対策をテーマに講演会を開催しました。がん治療に携わる医療者にとっては重要なテーマで、50名が参加し、活発な質疑応答を行いました。初めに福岡大学薬剤部の真島宏太先生が、福岡大学病院における曝露対策の経緯と現状について講演しました。続いて九州がんセンター血液内科の奈良﨑泰典先生が、揮発性抗がん薬であるベンダムスチンを使用した悪性リンパ腫治療の実際について講演しました。
特別講演の演者は四国がんセンターの青儀健二郎先生で、「職業性曝露対策をどうすすめるか?」というタイトルで、四国がんセンターの現状と対策、および青儀先生が主任研究者を務めて実施された国立病院機構ネットワーク共同研究の結果を講演されました。
薬剤部での抗がん薬調製、外来化学療法室および病棟での抗がん薬投与時に医療者が抗がん薬に曝露するリスクをさらに軽減するために取り組むべき課題とその解決方法を学ぶことができ、大変有意義な講演会でした。
2019年度第1回 腫瘍センター講演会「がんゲノム医療の現状と将来展望」(2019.10.07)終了しました
2019年度第1回腫瘍センター講演会として「がんゲノム医療の現状と将来展望」というタイトルで、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社病理診断・シークエンシング事業部営業部クリニカルセールス東日本Gの筒井康博先生にご講演をいただきました。
当院腫瘍センターにおいてもがんゲノム医療部門が設立され、がんゲノム医療の実質的開始に向けて整備を整えつつありますが、その一環としてのセミナーでした。がんゲノム医療で用いられる遺伝子パネル検査の理論的・技術的背景、承認されている遺伝子パネル検査の概要、ならびに、解析結果から選択されうる治療薬の具体例と近未来への展望も含めて講演いただきました。
多職種の聴衆を対象とする講演でしたが、とてもわかりやすくご講演いただき、69名という多数の出席を得て、講演後も多くの熱心な質問が続き、19:30までの時間があっという間にすぎた感がありました。職員のがんゲノム医療への意識と理解を含める有意義なセミナーでした。
第4回免疫チェックポイント阻害剤マネジメントセミナー(2019.7.8)終了しました
福岡大学病院では、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を用いたがん治療および副作用の治療に関わる医師、看護師、薬剤師を対象に、毎年ICIマネジメントセミナーを開催しています。今年度は滋賀県市立長浜病院呼吸器内科の野口哲男先生を特別講演の演者にお招きして、7月8日に第4回目のセミナーを行いました。
初めに五十嵐保陽薬剤師が福岡大学病院でのICIの使用状況ならびに副作用の発現について紹介し、呼吸器内科の中尾明医師がICIに関連した肺障害について解説しました。ICIはがん種を問わず優れた抗がん効果が得られますが、様々な臓器に免疫関連有害事象(irAE)が起こります。irAEの中には早急に治療を行わないと重症化して致死的になるものもあり、迅速かつ適切に診断することが重要です。特別講演では、野口哲男先生が独自に作成された「irAE逆引きマニュアル」について紹介されました。初発症状から始めて随伴する症状を確認していくことで診断に達することができる優れた診断ツールです。このようなマニュアルを利用することで、福岡大学病院で行うICI治療の安全性を高めることができると期待されます。今回のセミナーには94名の職員が出席し、多職種で有意義な情報共有ができました。
日時;2019年7月8日(月)19:00-20:30
場所;福岡大学病院臨床大講堂
出席者;94名
福岡地区血液疾患病診連携講演会(2019.6.14)終了しました
がん診療連携拠点病院と地域医療機関が連携してがん患者の診療を行う診療体制の整備が進んでいます。福岡県では、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がんを対象としたがん連携クリティカルパスが作成され、診療連携が実施されています。しかし血液疾患に関しては、まだ連携パスは作成されていません。
血液疾患の連携を推進するための問題点を話し合うことを目的に、福岡地区血液疾患病診連携講演会を開催しました。血液疾患の治療や効果判定に用いる治療薬や検査の特殊性、また輸血の準備・手配の煩雑性などが診療連携の支障になっていることがわかりました。今後も講演会を継続し、問題点の解決と連携の推進に努める予定です。
日時 | 2019年6月14日(金)19:30-21:00 |
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場所 | 福岡大学病院多目的室 |
演題1 | 勤務医からみた血液疾患の病診連携 |
演者:福岡大学病院腫瘍血液感染症内科 佐々木秀法先生 | |
座長:九州がんセンター血液内科 末廣陽子先生 | |
演題2 | 開業医から見た病診連携 |
演者:岡村内科クリニック 岡村秀樹先生 | |
座長:九州がんセンター血液内科 崔日承先生 | |
総合討論 | 病診連携の現状と課題 |
座長:福岡大学病院腫瘍血液感染症内科 髙松泰先生 | |
出席者 | 18名 |
福岡がん地域医療連携セミナー2019(2019.3.7)終了しました
福岡がん地域医療連携セミナー2019を開催しました。
福岡大学医学部消化器外科の愛洲尚哉先生が「新ガイドラインを踏まえた大腸癌治療」について講演されました。
ロボット手術が導入され、また癌細胞の遺伝子変異ならびに患者の全身状態(高齢者機能評価)に基づいた薬物療法の選択により、大腸癌患者の予後は飛躍的に改善していることが紹介されました。続いて産業医科大学就学・就労支援センターの立石清一郎先生が「医療機関で行うがん患者の仕事と治療の両立支援」について講演されました。がん治療を受けている患者が就労を続けることは、患者にとっては治療費・生活費を獲得でき、企業にとっても貴重な労働力を維持できるメリットがあります。産業医科大学で両立支援を行った症例を通して、がん患者が適切・安全な環境で仕事を継続するために、医療者と企業(産業医)との情報交換が必要なことを学ぶことが出来ました。福岡大学病院ならびに地域医療機関から65名が出席し、有意義なセミナーとなりました。
講演会「肺癌のコンパニオン診断と精度管理」(2019.1.30)終了しました
香川大学医学部附属病院 病理診断科 羽場礼次教授をお招きして、講演会を開催しました。
EGFR、ALK、PD-L1、ROS1について、それぞれコンパニオン診断の実際、問題点、精度管理について、非常にpracticalな講演をいただきました。
また、最新のオンコマインBRAFシステムについても言及がありました。
約50名が出席し、熱心な質疑・応答が交わされました。
講演会 “Immunomodulatory drug as a model of translational research in multiple myeloma”(2018.12.26)終了しました
Dana-Farber癌研究所准教授の秀島 輝先生による講演会を開催しました。
多発性骨髄腫に対して広く使用されているサリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド(免疫調整薬)の作用機序について、セレブロンと結合してIKZF1/IKZF3を分解し骨髄腫細胞の増殖を抑制すると同時に、TP53RKに結合してその活性を抑制し骨髄腫細胞のアポトーシスを誘導することを証明した最新の研究結果を講演されました。また免疫調節薬が造血微小環境に作用して間接的に骨髄腫細胞の増殖を抑制する作用、プロテアソーム阻害薬など他剤との相互作用について説明され、最後に現在取り組まれている創薬に関する研究にも言及されました。
参加者は40名で、世界の最先端の研究について学ぶことができ、大変有意義でした。

第3回免疫チェックポイント阻害剤マネジメントセミナー(2018.6.11)終了しました
第3回免疫チェックポイント阻害剤マネジメントセミナーを開催しました。
出席者は福岡大学病院と筑紫病院の医師、看護師、薬剤師を主体に124名となり、免疫チェックポイント阻害剤治療に対する関心の高さがうかがえました。
福岡大学病院では、腫瘍センターが中心となってワーキンググループを立ち上げ、安全性対策に取り組んでいます。その内容と成果を佐々木秀法医師、福田まひる看護師が発表しました。
特別講演として九州大学病院の坂本節子看護師に九州大学病院での取り組みについてご講演いただきました。
今回のセミナーで学んだことを生かして、今後も安全かつ有効な免疫チェックポイント阻害剤治療を推進していきます。
リンパ腫医療セミナー(2018.5.26)終了しました
2018年5月26日(土)に福岡大学メディカルホールでリンパ腫医療セミナーを開催しました。
グループ・ネクサス・ジャパン(悪性リンパ腫全国患者会)との共催で、一般参加者は76名でした。
福岡大学、九州がんセンター、九州大学の医師によるリンパ腫の診断や治療、最新の治療法に関する講演、患者自身による経験談、パネルディスカッションを行いました。
福岡がん地域医療連携セミナー2018(2018.3.22)終了しました
無事終了しました。ご参加ありがとうございました。
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