治療関係

2017/9/19
肝がんに対するフュージョンイメージ下のラジオ波焼灼術

肝細胞がんの標準的な治療のひとつにラジオ波焼灼術(RFA)があります。経皮的に肝内の腫瘍に直径1.5ミリの電極針を挿入し、ラジオ波電流を流すことにより、電極周囲に発生させた熱で病変を焼灼する治療で、一般に開腹手術に比べて体への負担が少ないことが特徴です。消化器内科ではこれまで2000例以上の治療実績があり、最近では肝細胞がん以外に、他臓器がんからの転移による肝腫瘍に対しても治療を行っています。

電極針の穿刺は、超音波診断装置での観察下で行うのですが、超音波での検出が困難な病変では穿刺ができない場合もあります。2017年1月に導入された最新の超音波診断装置には、治療前に撮影されたCTやMRI画像を、超音波画像のリアルタイムな動きに連動させ、病変検出をサポートするフュージョン機能が備わっています。この機能により、従来は超音波での描出が困難であったり、合併症の危険が高い部位にあるためにRFA治療ができなかった病変に対しても、安全性を確保しながら積極的に治療を行うことができるようになりました。実際に、新規超音波機器導入後から当科におけるRFA件数は飛躍的に増加しており、多くの患者さんがRFA治療の恩恵を受けています。今後もますます多くの患者さんのお役に立てるよう、治療技術の研鑽に努めていきたいと考えています。当科では、RFAだけでなく、個々の肝臓病患者さんに適した治療ができるよう日々活動しています。肝臓病の治療について知りたい方は、ぜひ当科にご相談ください。

(図) 左側が治療前に撮影した肝臓のMRI画像。右側がリアルタイムに観察している超音波画像。矢印で示されているのが、肝がんです。フュージョン機能により、両者の位置関係が一致しているのがわかります。

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