- お知らせ -
2022年4月1日より「日本バイオ治療法学会」に名称を変更しました。


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         目  的

 本学会は、生物そのものの機能あるいは生物や生体の構成成分の機能を利用、応用、模倣する技術であるバイオテクノロジーを使い、生体の防御機構の賦活を介した治療法の確立をめざす研究者の集まりである。
 生体のホメオスタシスの維持に関与するサイトカインを含む様々な生体物質が同定されるとともに、サイトカインそのものやサイトカインに対する抗体がバイオテクノロジーによって大量に生産できる時代である。インターフェロンなどの抗ウィルス剤、エリスロポエチンやコロニー刺激因子などの造血剤、HER2やEGFRやCD20に対するモノクローナル抗体である抗腫瘍薬、あるいはTNF-αやIL-6などに対するモノクローナル抗体であるリウマチ治療薬などの応用が臨床的に確立する一方で、細菌や菌類由来のBRM製剤(生物学的応答調節物質)や健康食品にも期待が高まっている。しかし、生体は極めて複雑なバランスの上に成り立っており、特定の生体物質を過剰に投与することは、そのバランスに影響を及ぼすおそれがある。したがって、リコンビナントの生体物質や免疫賦活剤の投与など、今後益々盛んになることが予想されるバイオ治療においては、これまでに得られた免疫学をはじめとする生物学の知見を再統合し、生体内における制御系を全体としてとらえていくことが必要である。そのためには基礎研究者と臨床医との間での密接な情報交換が不可欠である。
 以上の考えをもとに、バイオ治療法の分野に興味をもつ基礎研究者および臨床医学者に討論の場を提供し、癌や免疫病などの難病に対するバイオ治療法の益々の実用化をはかり、もって本分野の発展に寄与することを本学会の目的とする。
2022年4月1日改訂



             参考資料:設立趣意書

 ホメオステーシスの維持に関与するサイトカインを含む様々な生体物質が同定され、遺伝子組み換え技術によって、それらの生体物質を大量に生産することも可能になっている。エリスロポエチン、コロニー刺激因子、インターフェロンなどのサイトカインは臨床応用が確立し、生物学療法の癌や免疫病などの難病治療に対する更なる展開への期待が高まっている。
 しかし、生体は極めて複雑なバランスの上に成り立っており、特定の生体物質を過剰に投与することは、そのバランスに大きな影響を及ぼすおそれがある。従って、リコンビナントの生体物質を投与したり、サイトカインネットワークを刺激する免疫賦活剤などの投与を行う等、今後益々盛んになってくるバイオ治療においては、これまでに得られた免疫学をはじめとする生物学の知見を再統合して、生体内における制御系を全体としてとらえていくことが不可欠である。本研究会は、生体内調節の基幹作用を担い、かつ最も柔軟性の高い適応系であるマクロファージ系細胞の制御機構をバイオ治療法の根幹において、特に個体レベルの研究の展開をはかることでバイオ治療法の発展をめざすものである。そのためには、基礎研究者と臨床医との間での密接な情報交換が望まれる。
 以上の考えをもとに、生物学療法の分野に興味をもつ基礎研究者および臨床医学者に討論の場を提供し、癌や免疫病などの難病に対するバイオ治療法の益々の実用化をはかり、もって本分野の発展に寄与することを目的として、本研究会を設立しようとするものである。
1997年9月1日 発起人

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