診療内容・診療実績

診療内容

腫瘍・血液学、感染症学を臓器別ではなく臓器横断的に、患者中心かつエビデンスに基づいた標準治療を行うことを目指しています。

腫瘍・血液グループ

化学療法に感受性のある固形腫瘍と血液腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫)と良性血液疾患(再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血など)の診療にあたっています。全国的な臨床試験グループである、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やWJOG(西日本がん研究機構)、九州地区を中心としたFBMTG(福岡血液骨髄移植グループ)やKBCSG(九州乳癌研究会)にも積極的に参加しています。
また、九州地区は世界的にも有数のヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)感染者の多い地域であるため、キャリアの方に御自分の状態やHTLV-1のことを十分に知っていただき、不安を少しでも解消することを目的として、2010年11月から、「HTLV-1キャリア外来」を開設しています。

感染症グループ

感染症内科外来

感染症(発熱、下痢、皮疹、海外渡航後の発熱など)が疑われる方を対象とした外来を行っています。また、エイズ拠点病院としてHIV/AIDS患者の方を対象とした診療を行っています。重症の場合には入院による治療を行います。

院内感染症診療支援(コンサルテーション)

当科は全診療科の入院患者を対象とした感染症コンサルテーションを行っています。感染症医が感染症診療を支援することにより、患者さんの予後が改善することが明らかとなってきました。当科としても、院内感染症への診療支援を今後ますます積極的に進めていきたいと考えています。

菌血症例への診療支援

当科は血液培養陽性症例をすべてチェックし、菌血症を起こしている場合はすべての症例に診療介入を行っています。菌血症は患者さんの予後を左右する重篤な疾患であり、黄色ブドウ球菌による菌血症に対して感染症医が介入を行った場合に患者さんの予後が改善することが明らかとなっています。今後とも積極的な診療介入を継続していきます。

渡航外来(トラベルクリニック)

ビジネスや留学などで海外に渡航される方を対象として、渡航に伴う健康リスクを事前に評価し、リスクを軽減するための予防医療(ワクチン接種、予防薬処方)やリスク回避の方法についての知識を提供する外来を行っています。診療は完全予約制で行います。健康保険の適応外ですので、自費による自由診療となりますことをご了承ください。

外来診療は、月曜から金曜まで腫瘍・血液、感染症の専門医師が新患・再来患者に対応しています。

診療実績

令和3年度の入院患者総数は381名であり、血液疾患273名、固形腫瘍91名、感染症4名およびその他は13名でした(図1)。

腫瘍・血液グループの入院患者の内訳を見ると、固形腫瘍では乳癌54%、肉腫13%、消化器癌12%、肺癌2%、原発不明癌1%、その他18%(図2)。血液疾患では、悪性リンパ腫59%、白血病20%、多発性骨髄腫11%、成人T細胞白血病/リンパ腫3%、骨髄異形成症候群3%、自己免疫性血小板減少性紫斑病3%、その他1%でした(図3)。
HTLV-1キャリア外来は、約50名の受診者でした。