福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科学講座

第5回 合格者の歓喜(2021.10.)

医師6年目の満岡 遼です。
今年、第一回内科専門医試験を受験し、先日無事合格の通知を頂きました。
医局長よりお声掛け頂きましたので、僭越ながらこの場をお借りして要点を絞って簡単な振り返りをしたいと思います。

●症例レポート
症例レポートは専門医機構による査読はありません。直属の指導医による承認のみです。研修病院、3年目以降のローテート先でとにかく症例をかき集めてください。深さではなく数の勝負です。各分野・領域毎の疾患リストに幾度も目を通し、経験した症例のうち該当するものがないか常に目を光らせておくことが重要かと思います。

●病歴要約
・計29本提出します。必ずしも臨床的に希少な疾患を選ぶ必要はありませんが、シンプルな症例程、どのような視点で考察するのか切り口に迷うことになるので、それも念頭に置きつつ診療に当たってみてはいかがでしょうか。
・臨床的に必要な検査がなされているか等も評価対象となるので、検査漏れのある症例は使い辛いと思います。少しでも必要と思われる検査はやっておくべきです。症例毎にじっくりと精査できるという点では野戦病院よりも三次医療機関、大学病院が有利かもしれません。
・総合考察ではいかに患者に対して全人的にアプローチしたかも評価されます。日々の診療では、患者の生活背景など強く頭に残るものですが、カルテや退院サマリーの生活歴に詳細に書き残しておくことをお勧めします。

●筆記試験
イヤーノートの最新版とその付録のquick checkの電子版を購入してケータイにインストールして下さい。私は、移動時間など細切れの時間にquick checkを解き、解らない部分はすぐにイヤーノートで調べていました。休日などまとまった時間が取れる時に総合内科専門医のクエバンを解きます。できればそれぞれ2周はしておきたいところです。期間は2〜3カ月は見た方がよいかと思います。

●日々の診療について
後期研修におけるローテートについては賛否両論あるかと思いますが、私個人としては、良い経験になりました。その科の生の知識を身に付ける最後のチャンスですし、その分理解が深まり、自分の専攻に戻った後もその知識は活かせます。どうせ回るのであれば、将来その科を専攻するくらいのスタンスで取り組む方がよいかと思います。ラクをしようとすると逆にキツいと思います。何事もそうかもしれません。
また、他科の視点に立ってみることで、自分達が他科のDr.に本当に求められているスキルや立ち回り方なども見えてくるかと思います。

以上、冗長となってはいけないのでごく簡単にまとめました。

研修医の皆様へ
私達の代より専門医制度が大きく変わったため、内科系への入局を迷っておられる方も多いかもしれません。確かに、これまでの内科認定医より、提出書類の質・量、筆記試験の難易度ともにハードルは上がっているかと思います。が、これまで幾度も大きな試験をクリアしてきた皆様にとっては諦めるようなハードルにはなりません。是非、興味ややりたい事で選んでください。当医局も状況に配慮し、不足している症例の収集のバックアップなど柔軟に対応してくれます。私は1年目は大学病院、2年目は市中病院で幅広くいろいろな疾患を経験させて頂きました。当科は糖尿病はもちろん、内分泌疾患についても多様な症例を経験できる医局です。もし興味がありましたら、ぜひ見学にいらして下さい。医局員一同心よりお待ちしております。

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