福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科学講座

第10回 教授の独り言(2022.6.)

オンラインと対面

しばらくこのコラムを休んでいましたが、少しずつ再開したいと思います。新型コロナウイルス感染症の影響が続いていますが、学会や研究会が少しずつ完全オンライン開催からハイブリッド開催に変わってきています。私たちと関りが深い学会も今年度に入っていくつか開催され、現地に行って参りました。感染対策がとられた会場において対面で聴講し、発表することは非常に素晴らしい体験でした。これまで当たり前だったことがどんなにありがたいことなのかを実感しました。一方で、オンラインでの学会運営技術が発達したことで良い面も多く生み出されました。特にオンデマンド配信は、自分が聴講したいと思っている発表が重なった場合に後から視聴できますし、専門医の単位更新に必要な教育講演も時間のある時に繰り返し視聴することが出来ます。様々な事情で現地の学会場に足を運べない時にも勉強する機会を逃さなくなったのは、画期的なことです。ただ、現地に行くと顔が見えるのでその時の会場の雰囲気なども一緒に自分の記憶に残ります。発表する時も緊張感が全く違い、終わったあとの達成感も大きなものがあります。様々な先生方にご挨拶できるのも現地ならではの機会だと改めて感じました。オンラインで会ったことがあっても、現地で会うとまた違った印象だったりします。このように久しぶりに対面で学会に参加してみて、学生教育も同じだなと考えました。福岡大学医学部でも学生さんへの講義は録画しており、後から視聴できるようにしています。コロナ禍が始まった当初、我々教員は無人の教室で講義の録画をすることもありました。学生さんで教室が埋まっていると(例え寝ていようが)、やはりこちらのやる気も全く違います。講義のあとに質問に来てくれる学生さんがいると非常に嬉しいですね。完全オンラインの時はメールだったので、質問もしにくかっただろうと想像します。学会でもそうですが、顔がみえると質問の意図や背景まで見えるような気がします。今回、対面での学会に参加してオンラインで講義を受けていた学生さん達の気持ちが分かった気がしました。オンラインに慣れ切っていましたが、対面でのやり取りはとても大切ですね。何事も効率だけではないのだと思いました。今年の入局説明会は私たちの思いをきちんと伝え、当科に関心を持って下さっている皆様からの率直な意見やご質問を頂くために十分な感染対策をとって対面で開催します。ご参加をお待ちしております。

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