福岡大学医学部 内分泌・糖尿病内科学講座

第11回 教授の独り言(2023.4.)

初心に帰る

先日、私が医師としてのスタートを切った病院を訪問する機会がありました。この病院内に設立された財団に研究の成果報告に伺いました。当時からご指導いただいている先生に久しぶりにお目にかかることができました。私が勤務していた頃の建物は取り壊しが進んでおり、その横に新しい病院が建設されていました。初めて中に入りましたが、歴代のレジデントの名前がパネルに刻まれてホールに掲示されており、ここで働いた人々を大切に思ってくれているのだと感銘を受けました。自分のプレゼンテーションはいつになく緊張しました。医師一年目の時の自分を知っており、世界的な研究者として知られている先生を前にすると自分が非常にちっぽけな存在に感じられ、言葉もうまく出てきませんでした。昔は回診で症例のプレゼンテーションをしていたのに、研究のご説明をすることに複雑な思いを抱きました。あの時の緊張と全く同じでした。そして自分のやるべきことを考え直し、もっと広い視野をもって努力しなければならないと強く思いました。初心に帰ることはとても大切だと感じました。もうすぐ研修医や専攻医修了を迎えられる方がいらっしゃると思います。是非、数年経ってから時々、自分の原点を訪ねてみてはどうでしょうか。

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