教室紹介
教授挨拶

主任教授 小玉 正太

医療技術の進歩に伴い、不可逆的な臓器不全に至っても、移植治療による救命・社会復帰が可能な時代になってきました。しかしながら、移植医療には深刻なドナー不足の問題などがあり、これらを解決出来る代用医療の整備が急務と成っています。

近年、再生医療が注目されていますが、その発展の背景には横断医療として、多くの専門臨床・研究分野の協力・関与・統合が必須でありました。また再生医学はiPS(induced pluripotent stem)細胞の誘導やクローン動物など革新的な技術開発をはじめ、飛躍的な進歩を遂げている医療分野のひとつですが、その進歩は多くの診療領域を包括するにもかかわらず、常に様々な倫理的問題の解決が問われているのが現状です。

再生医療はその臨床施行される大部分が、細胞治療として提供されています。更にその施行に際する法律は平成26年11月24日以降実施となる、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」に規定され今後の申請もこれに厳格に適合する事となります。

現在教室の研究テーマは、臨床応用に向けた各段階で進行中であり、学内臨床各科との連携や協力により成り立っています。 その中でも膵島の再生に関する、臨床試験施行に向けたプログラムは、以前 Harvard Medical School の Faculty として勤務しました時代 Science 誌に発表した知見に基づき進めています。今後はこの 様な萌芽研究から始まった基礎研究を一つでも多く臨床試験まで進めたく、またそれが真の意味で Translational Research として、基礎研究を臨床部門に発芽させる事ではないかと考えています。

私が医学生の頃は再生医学・再生医療という単語や医療分野さえ存在しませんでした。現在教室では規模が小さいながらも研究・臨床スタッフをはじめ、大学院生やポスドク、テクニシャンも様々の分野から集いチームを編成し、研究や臨床試験の準備を進めています。興味のある方は御連絡を頂くか、気軽に教室にお立ち寄り下さい。
saiseiishoku@fukuoka-u.ac.jp

福岡大学医学部再生・移植医学講座
主任教授  小玉 正太