洋の東西を問わず、古来より病気の「見立て」は、医者として最も大切な技量でした。「見立て」なくして「癒し」はあり得ないからです。福岡大学医学部総合診療学教室は、先人が築き上げてきた内科診断学の伝統を学び、「見立て」の継承と発展に寄与します。特に基本となる問診と身体診察には力を入れています。また診断後の治療に関しては、さらに大切な医療の過程です。患者にとって最良の治療は何かを常に考え、それを実践しなくてはなりません。もちろん、最新でかつ侵襲が強い治療が全てではありません。その患者の年齢や生活様式に合わせた治療を選ぶことが必要なのです。患者とその背景をトータルにとらえて、「癒し」を実践する、それこそが今後の地域医療に必要な医学であると信じています。
総合診療部(現在は、総合診療科)は、大学病院外来に来院される一般的疾患や急性疾患を担う部門として、平成17年4月に設立されました。内科診断学を基礎とし、内科外来において紹介状を持たない患者さんの診察と診断、初期治療に携わってきました。
設立時からの外来診療に加え、平成21年1月からは旧本館6階北病棟2床での入院診療も開始し、平成22年8月末からは6床に、平成26年からは10床に増床し、急性期から亜急性期にかけての入院加療も実現しています。外来診療では、軽症か重症か、急性疾患か慢性疾患か、あるいは内科疾患か否かを判断し、専門外来や地域医療機関に紹介する役割も担っています。また、平成26年より福岡大学病院が2次救急医療(Acute Care Center)を開始するにあたり、その中心となって活躍しました。夜間の内科救急および研修医指導も積極的に行ってきました。現在は、救急治療センター(ERセンター)がスタートし、各科とともに夜間診療および研修医指導を行っています。
医学教育として、5年生の2週間の臨床実習受入も開始しています。
平成27年4月には総合診療部開設10周年を迎えることができ、プライマリケア連合学会の家庭医専門医プログラムや日本専門医機構の総合診療専門医プログラムも開始しました。
平成28年からは福岡大学病院の断らない救急をスローガンにER外来を総合診療部が中心となり行っています。一般外来やER外来、救急車台数、入院患者ともに増加傾向で、医局員一同団結し診療に毎日当たっています。
診療部長の鍋島茂樹教授を中心に診療を行っています。入院診療は、本館10階西病棟にて12床で運営しています。昨今入院患者増加に伴い、各階病棟の協力により他病棟でも病棟運営をしています。
曜日別外来担当医
R3年度の患者内訳
診療実績:患者数(入院)
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診療実績:患者数(外来)
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