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 No.88 第56回 日本臨床腎移植学会 参加報告 

 2023年2月11-12日、東京都で開催された第56回日本臨床腎移植学会に参加しました。臨床腎移植学会は腎臓移植の臨床に関しての最も活発な全国学会です。 移植外科医、移植内科医、病理医、看護師、検査技師、移植コーディネータに加え、移植ネットワーク、患者会関係者などが現地及びオンラインでの発表、参加がありました。

;第56回 日本臨床腎移植学会 参加報告


 私はスポンサードセッションで 60分の枠を頂き「鉄代謝の観点から見た腎移植患者の貧血治療戦略」の講演と、腎移植と悪性腫瘍に関して講演の座長を努めました。 また当講座の麻生信太郎先生は「移植腎内の腎結石に対して腎採取時に生体外にて抽石した一例」を発表しました。

 スポンサードセッションでは「移植後貧血治療において赤血球造血刺激因子製剤 ( ESA )を用いて高Hb値にすることがリスクを高める可能性があること。 鉄の充足が重要で高 Hb値 に維持すると腎機能低下を抑制できる可能性があること。経口製剤である HIF-PH 阻害薬は通院間隔が広い腎移植患者では有用性が高いこと。 適切な貧血管理には Hb値 のみならず RBC および MCH に分けて評価することが役立つこと。」などを述べました。

 座長を務めた悪性腫瘍のセッションでは、移植患者の定期受診時の診察や検診の重要性を示す発表がありました。 「移植腎内の腎結石の抽出」に関しての麻生先生の発表では、10mmを越える腎結石が存在した場合の抽石法などの活発な質問と議論を行う事が出来ました。

 最後になりましたが、本発表に際して、予行などで貴重なご意見とご指導を頂いた羽賀宣博教授と医局員の皆様に心より感謝致します。