福岡大学小児外科で扱う日常的な小児外科疾患
赤ちゃんのおしりの病気
成人の病気と考えられている痔(じ)は赤ちゃんやこどもにも見られ、肛門の周りにいぼのようなふくらみができて、排便のたびに痛がるため、お母さま方はかなり心配されて来院されます。主なものは次の3つです。
- 肛門周囲膿瘍:赤ちゃんの肛門の周りにできるおできで、しだいに中心部が白っぽくやわらかくなり、とんがってきます。おできの先がつぶれたり切開して膿が出てしまえば、小さくなって治ります。ほとんどが男の子で、赤ちゃんによって2−3カ所にできたり、何回も繰り返したりしますが、1歳を過ぎると99%の子は自然に起こさなくなります。
- 痔核:赤紫色のいぼ状のふくらみで、排便時に出現します。いきみの強い赤ちゃんに見られる痔静脈のうっ血で成人の痔核の初期と同じものです。
- 裂肛:排便時に肛門が裂けてできるいわゆる「切れ痔」で、女の子に多く、くり返し起こると裂け目の外側がひだ状にもりあがる「みはりいぼ」というポリープを形成して、痔ではないかと来院されます。
小児外科外来では、腫れや痛みが強い場合は軟膏や消毒の処置をしますが、多くは便通を整え、おしりを清潔に保つようにするだけで自然に治ります。
肛門周囲膿瘍

解説:福岡大学小児外科で扱う日常的な小児外科疾患
- そけいヘルニア
- でべそ(臍ヘルニア)
- こどもの便秘
- 赤ちゃんのお尻の病気 肛門周囲膿瘍
- こどもの虫垂炎
- 腸重積
- 胃瘻の造設