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原発性肺癌

疫学 : 肺癌は男女とも悪性新生物ではその罹患率が増加しています。参考のため年代別推移と、その死亡率を図に示しました。

病因 : 喫煙は全ての肺癌組織型の発ガンに関与します。肺がんによる喫煙死亡危険度は、吸わない人の4.5倍と言われています。男性の肺癌の70%は喫煙に起因しますが、女性の場合や男性でも喫煙に関与しない肺癌も増加しています。その他に職業的曝露(砒素、アスベスト、クロム)なども知られています

病態 : 癌は、私たちの体を構成している約1014個の体細胞のどこかに、遺伝子変異が起こって発症した細胞によってできると考えられています。約30-40回細胞分裂を繰り返し増殖し早期癌になると言われています(図1にわかりやすく説明しました)

正常の肺の細胞でも、その増殖や分化には調節する遺伝子が働いていますが、肺癌細胞では、増殖促進の役割をする遺伝子と抑制する遺伝子に異常が起こっていることが知られています。肺癌も多くのこれら遺伝子の関与が明らかになっていますが、よく見られるがん抑制遺伝子 は(p16,p53,RB)、がん遺伝子は (K-ras,C-myc)などが知られています。 肺がんは、気管支粘膜細胞から発生した悪性腫瘍で、発生部位別に中枢型と末梢型に分けられます。また組織により大きく2つに分けられ、さらに細かく分けると4つになりますが図2のように腺癌が最も多くみられます。

局所症状 : よく見られる初発症状は、咳、痰、血痰、喀血、胸痛、呼吸困難、発熱などに特徴づけられますが、これは比較的中枢近くにできた場合や、ある程度進行した患者さんに見られます。一般的に早期肺癌や末梢にあるものは、多くの場合は無症状ですので、たとえ症状がなきても安心はできません。
全身症状 : 食欲不振、体重減少など代謝に関するもの、転移した箇所による痛みや神経症状など様々です。これも進んだ場合に起こります。
診断 : 実際の診察は病歴や理学的(視診、聴診、触診、他)胸部X線写真から、腫瘍マーカー(一般的な肺癌マーカー図3 )などの採血を行います。引き続き詳細な画像評価(CT、MRI,PET)と確定のための組織採取が行われます(図4に検査と診断をみやすくしています)。これらにより病期分類(癌の進行度の判定)が行われ(図5)治療方針が決められます。

治療 : 薬物治療、放射線照射など非外科治療と外科治療に分けられますが、その病変の広がりや組織型に加えて患者さんの体力に応じて選択されますが、おおよその目安を図6にしていますので参考にしてください。図7に一般的な診断から治療までの経過をまとめました。

外科治療法には様々なものがありますが(図8)、これも大きさや場所、肺機能などさまざまな要素で選択されますが、図9のような方法で胸を開けて、一般的には肺葉切除で行われます。最近では早期肺癌の場合は胸腔鏡が用いられています(Q&A肺癌)。詳しくは専門医にお尋ねください。また薬物治療なども呼吸器内科などの専門医に説明をうけて行われるのが一般的です。

肺癌の手術は、手術のなかでも大きな手術と考えてください。そのためいろいろな術後合併症があります。日本肺癌学会などのまとめたガイドラインでは約3割になんらかの合併症が起こると報告されています。このことをよく理解し手術を受けられる必用があります。内訳を図10にまとめてみました。

手術をしても、完全に根治できるわけではなく早期であっても再発される方もいます(図11に再発しやすい場所を示しています)。日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会合同での全国集計の最新報告の生存率を図12に示します。これは、あくまで臨床的に画像その他を用いて評価した病期をもとにしています。さらに正確な病期には切除された病理病期のほうがを用いますが、すべての方が手術をされるわけではありませんので臨床病期でおよその指標と考えておいてよいでしょう。

しかし再発しても、以前に比べて新しい抗癌剤や分子標的治療などが使用できるようになったため決して治療手段がないわけではありません。再発しやすい場所については手術後もチェックし注意を払わなければいけませんし、患者さんや家族の方もこのことを念頭においておく必用があります。

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