A. 肺高血圧症、肺線維症、びまん性肺脈管筋腫症(LAM),肺気腫など代表的です。この他にもいろいろな病気が肺移植の適応になります。ただし、肺がんなどの悪性疾患は適応になりません。
A. 常時酸素吸入が必要になり、外出もままならなくなり、主治医から「あまり長生きできないかもしれない・・」と言われたら、肺移植の適応の可能性があります。
A. いいえ、健康保険が適応されますから通常程度の医療費しかかかりません。これは脳死移植でも生体移植でも同じです。
A. 現在肺移植ができるのは国内で7つの大学病院だけです。福岡大学はその一つです。
A. 木曜日の午後に肺移植外来(14:00-:外科外来で受け付け)がありますから、予約の上で受診してください。患者さんが移動しにくい場合、最初の受診はご家族だけでもかまいません。現在の担当の先生にもお話し、資料を作ってもらってください。直接、電子メールでいろいろなことを問い合わせることも可能です。
A. 登録は、「その患者さんが肺移植を受ける施設」が行います。御心配には及びません。
A. 現在は平均2.5年くらいですが、これは流動的です。待機期間は長いですから、「肺移植が必要」と言われたら早めの登録をお勧めします。
A. いいえ、現在福岡大学では九州一円の方が登録されていますが、みなさんそれぞれの居住地で過ごされています。
A. 提供者が現れたら電話で連絡します。夜間・昼間を問わず連絡が入りますからいつも電話を身近に置いておかないといけません。電話がかかったら、移植を受けるかどうかすぐ返答していただきます。移植を受けるときは大急ぎで福岡大学病院へ移動し、手術準備に入ります。「電話」が入ってから「手術開始」までは概ね12-24時間の猶予しかありません。遠方に居住されている場合は緊急時の移動手段を考えておく必要があります。
A. 手術死亡率は10-15%と言われています。最初の1年以内の死亡率は20%程度です
A. 福岡大学は、生体肺移植のドナーとして2親等以内(事情によっては3親等まで)の親族と配偶者をドナーとして受け付けます。
A. 多くの場合2名必要ですが、患者さんが比較的小柄でドナーが大柄な方の場合、ドナーが一人でよい場合もあります。
A. 概ね小学生以上であれば十分可能です。
A. ドナーからは20-25%に相当する量の肺を提供していただきます。その後の健康状態に対する影響は極めて限定的です。
A. 十分に準備を整えて実施できるのが最大の利点です。また、遠方から殻臓器を運ぶ必要のある脳死移植と比較してドナー臓器も大変いい状態で移植できます。
A. そうです。ただし1年くらいたつとかなり減量ができます。
A. 感染がおこりやすくなることが最も大きな副作用です。そのほかにも腎機能が悪くなったり糖尿病になりやすくなったりします。実際に移植を受けるときは、患者さんもこれらの点をよく勉強しないといけません。
A. 普通に近い生活ができるようになります。多くの患者さんが学校や職場に復帰したり、旅行や運動ができるようにまでなります。
A. 退院したら2週間ごとに通院してもらいます。約1年経過すると1-2カ月に1度の通院でよくなってきます。
A. 2006年に福岡大学肺移植プログラムが開始されて以来、九州全県から延べ70名の患者さんが紹介され、23名が登録されました。このうち3名が脳死移植を、2名が生体移植を受けられました。