診療を受けられる方へ

Q.どのような肺癌の方に外科治療が行われているのでしょうか。

A-1. 基本的には、肺癌が血流にのって流れ出し、肺以外の場所に転移していない方が対象となります。ただし、例外的に最近では遠隔転移のうち脳転移だけの場合はガンマナイフなどを脳に照射した後、肺癌を手術する場合があります。これにより良好な成績を得ている方がおられます。

A-2. 肺癌周囲から近くのリンパ節までであれば手術で取り除くことができるのでやはり適応されます。しかしかなり遠くまでのリンパ節にたくさん流れ込んでいればむしろ抗がん剤と放射線が選択されます。そして後に手術を再検討することがあります。


Q.肺癌はどれくらいの小さなものまでわかるのでしょうか。

A. 一般的に撮影される胸部写真では、細胞が密で固まりになっていれば、場所・条件にもよりますが1cm程までなら指摘できると思われます。しかし、細胞があまり少ないと胸部CTでしかわかりません。


Q.それでは小さなものは、どのように見えるのでしょうか。
また、悪性かどうかは写真だけでわかるものでしょうか。

A. 最近では微少な肺癌も精度の高いCTである程度わかってくるようになりました。だいたい5mm程の肺癌は疑いを持てば診断が可能です。悪性かどうかは、画像だけでも専門医である程度わかると思います。しかし確定には組織採取が必要です。


Q.どのように確定診断するのでしょうかその方法を教えてください。

A-1. 消化管と同じように肺でも気管支鏡は通常行われる検査です。

それにより細胞を採取し確定診断を得ようとします。組織(細胞とその構築を判定)や細胞診(一つ一つの細胞を判定)の形で悪性かどうかを判定します。気管支鏡が入る範囲で可視できれば腫瘍を直接確かめ組織を採取できます。

しかし、癌が小さいとなかなかその場所へ気管支鏡がうまく到達できませんので、麻酔をかけてから胸腔鏡などを用いて組織の一部分を切除し、その場で病理医の先生に顕微鏡で診断をしていただくことになります。これを術中病理診断といいます。

A-2. 最近では、さらに細い枝まで入る極細径気管支鏡や、

最新の仮想気管支鏡画像を用いて道しるべを計算し診断率を上げることが可能になってきました。我々の教室では、九州で最も早くvirtual bronchoscopyを購入し使用を始めています。


Q.痛みが少なく傷が小さな肺癌手術とは、どんな方法ですか。

A. 内視鏡手術でも胸部臓器の疾患には胸腔鏡手術、腹部臓器には腹腔鏡手術と言われています。肺癌に対しても取り入れられている手技です。図にあるように肺を直接見ることはなくカメラを肋骨の間から入れて映し出しモニターを見ながら手術を行います。およその手術の様子をアニメーションにしていますので参考にしてください。


Q.胸腔鏡手術は、どこでも受けられますか。

A. 一言に胸腔鏡手術といっても施設間で異なります。その理由は、さまざまな難しい技術があり、本当の胸腔鏡手術ができる人が行っているところは意外と少ないと思います。胸を大きく開けた傷から覗き込みながらカメラを入れて胸腔鏡手術を表示してある施設もよくあるのでよく確かめてください。(傷をみれば本当の胸腔鏡手術かどうかだいたいわかります。)福岡大学は九州で最も早くから本格的な胸腔鏡手術を行っていますので九州、山口など一円から多くの方がこの手術を受けに来院されています。福岡大学の胸腔鏡手術の様子を示します。


Q.胸腔鏡手術はどのような肺癌の人が受けることができるのでしょうか。

A. 大きさが約3cm以下で、大きなリンパ節転移がないと考えられる方です。また、過去に肺の手術や結核などで癒着(くっつき)がないことが条件です。これはだいたい手術前の写真で判断できます。


Q.肺癌手術方法について知りたいのですが。どれくらい肺をとられるのでしょうか。

A-1. 基本的にはガイドライン(治療の基本指針)を参考としていますが、肺のブロック(肺葉)を取ることが原則と思います。最近ではいくつかの条件がそろった微小肺癌は区域切除や楔状切除(肺葉よりさらに小さな解剖学的領域)を行うことで治癒と肺機能を温存することも始まりました。

どうしても癌が大きい場合や中枢に存在する際は片方の肺を取る場合もあります。

A-2. ただし、工夫を施すことで片方の肺を全て切除することなく何とか残すことができます。これを形成手術といいます。気管支をいったん切り離し、悪い部分だけ除きまた繋ぎ合わせる気管支形成術や血管を切り離し同様にまた継ぎ合わせること(血管形成術)もできます。高い技術が必要とされます(どこでも行っているわけではありません)。

他の病院で難しいと判断されたケースも紹介を受け、治療をしております。私たちはこれらの手技を数多く行っておりますのでご相談下さい。


Q.手術を受けたいのですが費用はどの程度必要でしょうか。

A. 肺癌の手術を受け、3週間入院の場合はだいたい48万~54万円かかります。 また、食事代が別途かかります。(1食260円、3週間で約16000円) ただし、70歳未満の多くの方が窓口での負担が軽減される「限度額適用認定証」を申請されますので 自己負担限度額のご負担ですんでいます。 下記を参考にして下さい。

*国民健康保険においては、年間所得600万円以上
(注)金額は1月当たりの限度額。入院期間が2月(ふたつき)にまたがる場合、それぞれの月で負担金が発生します。
<>内の金額は多数該当の場合。(直近1年間に3回以上高額療養費の支給を受け、4回目以降の支給に該当)


Q.手術を受ければ確実に治り、他の抗癌剤や放射線療法は受けないで良いのでしょうか。

A. 全ての方が手術だけで治療を完結するとは限りません。中にはリンパ節転移があったり、どうしても一部残っている可能性がある方は手術が終わってから抗癌剤を追加したり放射線治療を行うことも必要になります。これは少しでも再発率を少なくするための治療と考えられています。詳しいことはお尋ね下さい。


Q.その他、特別に行っていることがありますか。

A.

総合的治療体系

福岡大学では毎週月曜に肺癌合同カンファレンスが全ての患者さんを対象に治療方針を決めるため行われています。いわば外科だけではなく総合的な治療を行うため多方面から検討されています。これにより治療連携を密にして、すばやい治療が専門的可能になります。呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科、腫瘍内科、病理部が集まります。

非外科的治療

肺癌切除組織を解析し(EGFR変異,ERCC1発現、その他)、これをもとに分子標的治療や抗がん剤の選択なども手がけています。著明な効果が得られれば外来で長期に分子標的薬を服用し通院されている方もおられます。

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