診療


ロボット手術に関して

 婦人科領域では、2018年4月に子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性腫瘍と早期の子宮体がんに対するロボット手術が保険適応となり、当科でもプロクター、ロボット手術認定医を中心に診療を行っています。

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子宮筋腫・子宮腺筋症(良性疾患)

 30歳代後半から40歳代の働き盛りの成人女性が罹りやすい病気で、月経の量が多くなって貧血を起こしたり、月経痛がひどくなって仕事や日常生活に支障を来したりします。
 残念ながらホルモン療法だけで治ることは少なく、子宮を全摘する手術によってのみ完治できます。


子宮体がん(悪性腫瘍)

 月経が起こったり、妊娠の場所となったりする子宮内膜から発生するがんです。子宮体がんのすべてではありませんが、その多くは肥満が大きな要因になっています。最近では40歳代後半から60歳代で発症することも多く、未婚の女性、妊娠・出産の経験がない、または少ない女性にリスクが高いことが分かっています。
 多くの子宮体がんの症例では、骨盤の中のリンパ節を通じて他の臓器への転移が起こる可能性があるため、手術としては子宮を全摘することに加え、転移を予防するために骨盤内のリンパ節を摘出する必要があり、精度の高い手術を必要とします。


 子宮筋腫・子宮腺筋症・早期の子宮体がんに対しては、これまでは開腹手術や腹腔鏡手術が行われてきましたが、肥満の問題で開腹手術が選ばれることが多いのが現状でした。
 しかしながら、ロボット手術はその問題を克服し、腹腔鏡手術と同様に手術の創も小さく、カメラで術野を拡大して手術できるため、リンパ節摘出も開腹手術を上回る精度で行えます。
 また、出血や術後の合併症の頻度も少ないため、開腹手術よりも入院期間が短く、より多くの女性の社会復帰が早期に可能となっています。
 患者さんの病気の状態や状況によって適切な治療法を提示させていただきますので、是非ご相談ください。