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こどもの虫垂炎

一般に「もうちょう」と呼ばれる病気は、虫垂で起こる化膿性炎症である急性虫垂炎のことを指します。虫垂はミミズのような形をした細い腸で袋小路になっており、便の固まりやリンパ組織の膨らみによって中が詰まりやすくなっています。普通の腸炎では腸の中で病原菌が増えても下痢を起こして流されてしまいますが、閉塞した虫垂内では細菌の逃げ道がないため、炎症が次第に虫垂の壁をむしばんでいきます。進行すると穿孔して腹膜炎を起こすため、虫垂を切除し病原を取り除く手術が必要になります。症状として腹痛や嘔吐、発熱が見られますが、おなかの痛みが最初はみぞおちあたりで、徐々に右下腹部に移ってくるのが特徴です。小さなこどもの虫垂炎は症状や診察時の訴えがわかりにくいことが多く、穿孔したり腹膜炎を起こして初めて見つかることも多く見られます。また小児期には風邪や腸炎をはじめ手術の不要な右下腹部痛を示す病気がたくさんあり、私たち小児外科医にも見分けがつきにくいことがあります。その場合は入院の上、いつでも手術ができるように用意をしながら厳重な観察を行うようにしています。

解説:福岡大学小児外科で扱う日常的な小児外科疾患

  1. そけいヘルニア
  2. でべそ(臍ヘルニア)
  3. こどもの便秘
  4. 赤ちゃんのお尻の病気 肛門周囲膿瘍
  5. こどもの虫垂炎
  6. 腸重積
  7. 胃瘻の造設