HOME > 講座について > 各種治療について > 悪性腫瘍に関する治療 > 腎細胞がん (腎臓がん)


Malignant Tumor

[ 5-1 ] 腎細胞がん (腎臓がん)


手術

 限局性腎細胞がんに対し、根治を目指した手術を行っています。(一部の症例では転移を有していても手術を行う場合があります) 手術には、開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術の3つがあります。 がんが進行し、腎周囲の臓器までの浸潤が疑われたり、静脈内に腫瘍の進展があるような進行がんの症例では開腹手術を行います。 腎細胞がんは、がんの大きさや、がんができている位置によって手術方法が変わります。 片方の腎臓をすべて摘出する必要がある場合は腹腔鏡手術を選択します。 腫瘍が比較的小さく、部分切除が可能と考えられる症例については、「ダヴィンチXi」を用いたロボット支援手術で、腫瘍とその周囲の正常組織のみ部分的に切除します。

限局性腎細胞がんの手術  限局性腎細胞がんの手術 腫瘍の位置や大きさ、静脈内の浸潤の有無などで、手術の方法が変わります。




腹腔鏡下腎摘除術

根治的腎摘除術  片方の腎臓を全て摘出する


腹腔鏡下腎摘除術



腎部分切除術  腎がんの病巣部分を周囲献上組織と共に部分的に切除する


ダヴィンチXi 執刀の様子


手術用支援ロボ「ダヴィンチXi」


腎細胞がんの腎部分切除術

薬物治療

 根治切除が不能な腎細胞がんや転移を有する腎細胞がんについては薬物治療を行います。 腎細胞がんは他の癌種と異なり、一般的に使用される抗がん剤や放射線治療はあまり効きません。 そのため特別な薬物治療が必要となりますが、治療法についてはこの数年で大きく変わってきています。 分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬の2つが治療の軸となる薬物ですが、使い方もさまざまで、それぞれを単独で用いたり、作用機序の異なる免疫チェックポイント阻害薬2種類を併用したり、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療法があります。 患者さんの病状やお身体の状態によって選択できる薬物が異なるため、詳しくは腎泌尿器外科(腎癌外来担当:松﨑)までご相談ください。


免疫を司るT細胞は、正常細胞とがん細胞を見分けて、癌細胞のみを攻撃します。


がん細胞がPD-L1を出すと、T細胞はがん細胞を正常細胞と誤認識し、攻撃を止めてしまいます。
その結果、癌細胞が増殖してしまいます。


抗PD-1抗体であるニボルマブはがん細胞のPD-L1とT細胞のPD-1の結合をブロックすることにより、
T細胞の活性化を維持し、がん細胞を攻撃できるようにします。

分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療法

ペムブロリズマブ・アキシチニブ併用療法 | アベルマブ・アキシチニブ併用療法 | ニボルマブ・カボザンチニブ併用療法  現在 3種類の併用療法が使用可能です。 免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)、アベルマブ(商品名:バベンチオ)、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)に分子標的薬であるアキシチニブ(商品名:インライタ)、カボザンチニブ(商品名:カボメティクス)を併用する治療法です。 高い奏効率が期待できる治療法ですが、どの患者さんにどの併用療法が最適なのかということについてはまだはっきりしていません。 福岡大学病院腎泌尿器外科では患者さん一人ひとりの全身状態やがんの進行度を総合的に判断し、腎泌尿器外科全員が参加するカンファレンスにて治療方針を議論し決定しています。 詳しくは外来にて担当医にご相談ください。

[ お問い合わせ ]
福岡大学腎泌尿器外科学講座
〒814-0180 福岡市城南区七隈七丁目45番1号 [ Google Map  ]
TEL : 092-801-1011  FAX : 092-865-4445  E-mail : urology@fukuoka-u.ac.jp
[ 平日 ] 初診 / 8:30 - 12:00 ( 月・火・木・金 )  再診 / 8:30 - 12:00