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[ 2 ] ロボット支援前立腺全摘除術
ロボット支援前立腺全摘除術について
前立腺がんと診断された後、MRIなどの画像診断で、癌の転移や、前立腺外にがんが及んでいない場合、年齢や体の状態を考慮して、手術治療や放射線療法がおこなわれます。
( 癌の悪性度が低い場合は、治療を行わずに、採血や画像診断等で経過を見ていくこともあります。)
担当医と相談し、手術療法を選択された場合は、当院では最新鋭のダ・ヴィンチXiを用いてロボットを使用して手術を行います。
前立腺癌は、ほかの癌と異なり、癌だけを取り除くという手術治療は行えません。
したがって、前立腺がんを含めて前立腺を全摘するということが治療の原則となります(図1)。
前立腺を取り除いた後、膀胱と尿道を体内でつなぎ合わせ、手術は終了します。
男性は女性と比べると、骨盤の内腔が狭いため、骨盤の深部に存在する前立腺を摘出し、その後、膀胱と尿道を吻合することは、ロボット支援下手術が導入される以前では非常に困難でした。
したがって、開腹手術の場合には、狭い内腔での手術操作となるため、時には手術中に大出血を起こすこともありました。
ロボット補助下に手術を行う利点は、術者がサージョンコンソール内のモニターを覗きながら(図2)10倍の拡大視野で、3Dの立体的画像で手術を行えることです。
さらに、ロボットアームを用いることで繊細な手術が可能になり、狭い骨盤内での手術が容易になりました。
患者さんにとっての直接の利点は、傷が小さいこと(図3)、出血量の低減が図られ、体への負担が軽減したことです。
私は、本邦でも早くから、このロボット支援前立腺全摘除術に携わってまいりました。
前立腺全摘除術は、癌の根治と術後の排尿機能や性機能などの機能温存を両立することが重要です(図4)。
特に、私は術後の最大の合併症である尿漏れの克服に取り組んでまいりました(図5)。
この取り組みは、世界的にも評価され、学会や論文等で報告させていただいております。
また、私は、ロボット補助下手術を含め、次世代の泌尿器外科医の育成にも長年取り組んでいます。
したがいまして、私自身を含めて当科では、安全で確実な手術を患者さんにご提供することをモットーとしております。
前立腺癌だけではなく、泌尿器科疾患に対する低侵襲治療をご希望の患者さんがいらっしゃいましたら、お気軽に泌尿器科外来をご受診ください。
[ 手術支援ロボットダビンチXi(daVinci Xi)Youtube動画 こちら ]
Youtubeでは18歳以下の視聴制限を設定しております。
また、出血を伴う画像がありますのでご注意ください
福岡大学腎泌尿器外科学講座
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