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From the Professor

教授挨拶(令和4年)


羽賀 宣博

 令和4年となり、私が福岡大学に着任してから、早いもので約2年となりました。 着任してからこの2年間は、コロナ禍のために、ほとんど自宅と大学の行き来で終始していましたので、かえって教室の運営や、土台作りに注視できたのではないかと考えている次第です。

 診療面に関しましては、「安全・安心の医療のご提供を第一に」との考えのもと、様々な取り組みを行いました。 私の専門領域とするロボット手術に関しては、私が着任してから、小児の先天疾患である、腎盂尿管移行部通過障害に対するロボット支援腎盂形成術の導入を九州地方ではいち早く導入し、複数の学会等でその良好なデータを公表しております。 さらに、遅ればせながら膀胱がんに対する膀胱全摘除術も令和3年から導入し、こちらも良好な成績を収めております。 また、膀胱がんに関しては、膀胱がんの再発の低減化を実現する光線力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術を、こちらも九州地方におきまして、いち早く取り入れました。

 それ以外にも、一時期当院で中止しておりました、間質性膀胱炎に対する水圧拡張術や、精索静脈瘤に対する顕微鏡下の手術など、良性疾患の治療も再開し、患者さんにベストな医療を提供できるようにしております。 このように、患者さんの有益になることは、積極的に取り組んでいく姿勢で、医局員全員で日常診療を行っております。 そのためか、患者さんの数も増えてきており、手術件数は、私が着任する前と比較すると年間で141%の増加となっております。

 研究面に関しては、科学研究費を始め、鈴木鎌三記念医科学応用研究財団、内視鏡医学研究振興財団等の競争的研究助成金を獲得しながら、着実にデータを集積しております。 昨年は、国際学会で2つデータを公表し、1つの発表は、優秀演題賞に選ばれるなど、国際的な評価も上げつつあります。 また、小児泌尿器科の分野では多施設共同研究を行い、国際的な学術誌に掲載された研究が、日本小児泌尿器科学会の優秀論文賞に選ばれ、少しずつではありますが、研究面でも前進しているのではないかと実感しております。

 来年度は4名の新たな仲間を迎えることとなりました。4人の新入医局員(専攻医)を迎えることに関しても、20年ぶりとのことで大変喜ばしい限りです。 当講座におきまして、更に充実した医療・研究・教育を展開したいと考えております。

 皆様どうぞ、温かいご支援の程よろしくお願いいたします。

令和 4年 1月 1日

福岡大学医学部 腎泌尿器外科学 講座

主任教授・診療部長 羽賀 宣博